結論:自分でやるか、購入店のオイルサービスに任せよう
自分でオイル交換したほうが安いっちゃ安い
オイル交換で一番大きなコストはオイルそのものなので、自分でオイル交換をする場合は自分でオイルを選べる点でコスト面では一番優秀だ。
できれば純正のR9000を使いたいものだが、20Lのペール缶で購入すると5万円を軽く超えてくる。同等の性能を持つ他のオイルであれば2万円そこらで買えるものがほとんどなので割高感が否めない。
最安はAZのMEB-012だが、TEITOのPREMIUM M4Sも悪くない(AmazonならTEITOはタイムセールに出ることやクーポンが付いていることもある)。
オイルの劣化に注意する必要がある
基本的に1回の購入量が多ければ1Lあたりの単価は安くなるので、コスパを考えれば20Lを購入したくなる。
ただ、エンジンオイルは一度開封すると劣化し始めるため、適切な保存環境であっても1年を目安に使い切りたい。このあと詳細に計算はするが、1回あたりのオイル交換量を3Lとして3,000kmに1回交換する場合は7回目(21,000km)の交換で使い切る計算となる。
距離ガバの諸兄であれば問題ないだろうが、1年間で20,000kmは相当に乗り回さないといけない。
このことを考えると、ペール缶で購入するよりは4Lサイズのものをその都度購入したほうが1Lあたりの単価は高くなってしまうものの、精神衛生的にはいいかもしれない。

ぶっちゃけ、保存するオイルの劣化を気にするのはレーシング性能を追求した高級オイルとか、コスパで選ぶような汎用オイルならどうでもいいっちゃどうでもいい
当然自分で作業する必要がある
バイクショップなりに丸投げしてしまえばやってくれる工賃分の作業を自分でやらなければいけない。20〜30分はその作業に拘束されてしまうのは中々にストレスだ。
あと、工具等も自分で揃える必要がある。
ペール缶に入っているオイルをそのままエンジンにぶっかけるわけにもいかないので専用の容器も必要になるし、トルクレンチなどの工具やゴム手袋、廃油を捨てるためのオイルパックも必要になる。
どこでやるかにもよるが、賃貸のバイク置き場などでは「うっかりオイルをこぼしちゃった♡」は通用しないので、細心の注意を払う必要がある。
これらの手間とストレスに打ち勝つ必要がある点を考慮すると、単純にかかる必要が安いからコスパがいいとは断言できない。

オイル交換の度にカウルを外さなきゃいけない車種だとそれも面倒
ショップに任せるなら買った店がだいたいお得(しらんけど)
例えばスズキワールドでは購入時に限りオイルメンバーサービスに加入することができる。

先述したR9000はAmazonで自分で買おうとすると普通に市場価格なのでクソ高いが、オイルメンバーで購入すると恐ろしく安くなり、30Lで購入すれば1Lあたり1,210円になる。
一応有効期限こそあるが、1回あたりのオイル交換量を3Lとして3,000kmに1回交換する場合は10回目(30,000km)の交換で使い切る計算となるため、1年あたり10,000km走るようなユーザーであれば問題ないだろう。
購入点を使わないなら次点で2りんかん
購入時にオイルメンバーに入っていない、有効期限が切れた、そのへんのバイクショップで中古で買ったみたいな人は2りんかんのオイル会員が検討可能だ。

2りんかんのオイル会員はオイルが安くなるのではなく、年会費を払ってオイル交換にかかる工賃が無料になるというもの。年に2回以上オイル交換をするのであれば1回あたりの工賃を安くできるって感じなので、年間で10,000km走る人であれば年3回の交換になるので工賃は550円になる。
これがお得なのかと言われると、スズキワールドのオイル交換の工賃とさほど変わらないのでそこまでお得感はない。

2りんかんでは0.1L単位で指定のオイルを購入し、それをオイル交換してもらうことができる。
当社比で工賃がお得になるのはいいとして他社と比較するとそこまでな2りんかんでも、このオイルが割安であれば積極的に検討したいわけだが、、
1Lあたり:1,980円
オイル成分:化学合成油
JASO規格:MA2
オイル粘度:10W-40
API:SN
1Lあたり:2,280円
オイル成分:化学合成油
JASO規格:MA2
オイル粘度:5W-40
API:SN
あれ、、高くね、、?
CastrolのPOWER1 ULTIMATEは自分で購入すると¥1,200/L ほどなのだが、2りんかんの量り売りだと倍ぐらいになってるゾ、、
Motulの方は割安ではないもののまぁ適正価格なので、採用するならこちらか、、(RS-1は詳細情報がわからないのとMotulと比較してそこまで割安感もないので比較対象外)
自分でやる場合とショップに投げる場合の費用比較
ここまでで出したいくつかのパターンの中から、それぞれのケースで費用比較をしてみる。
- 自分でやる場合のオイルは「TEITO PREMIUM M4S」を使用
- スズキオイルメンバーは「R9000」を使用
- 2りんかんは「MOTUL 4T-RS」を使用
使用するオイルの性能はほぼ横並びなので、あとは単純な費用比較だ。オイルフィルターは2回に1回交換するものとして、GSX-S1000GTのオイル交換量(フィルター交換なし:2.8L フィルター交換あり:3.2L)で2回交換した場合の合計費用を算出している。なお、2りんかんの合計費用には会員費は含めていない。
自分でやる | スズキ オイルメンバー | 2りんかん オイルメンバー | |
---|---|---|---|
年会費 | ¥0 | ¥0 (3年更新時:¥1,100) | ¥1,650 (2年目以降:¥825) |
工賃 | ¥0 | ¥500 | ¥0 |
オイル代(フィルター交換なし) | ¥2,268 | ¥3,388 | ¥5,544 |
ドレンワッシャー代 | ¥100 | ¥0 | ¥100 |
オイルパッキン代 | ¥100 | ¥0 | ¥100 |
オイル代(フィルター交換あり) | ¥2,592 | ¥3,872 | ¥6,336 |
オイルフィルター(エレメント)代 | ¥2,000 | ¥2,000 | ¥2,000 |
オイルシール | ¥1,000 | ¥1,000 | ¥1,000 |
オイルパック | ¥400 | ¥0 | ¥0 |
合計(2回) | ¥9,060 | ¥11,260 | ¥15,280 |
こうやって見ると、自分でやる場合とスズキオイルメンバーの場合では1回あたり1,000円程度の差しか出なかった。最寄りのスズキワールドへの往復や待ってる間の時間を考えても、1,000円で煩わしい作業を丸投げできるなら個人的にはアリだと思う。
2りんかんだが、1回あたり3,000円の差額は地味に大きい。「3,000円やるからオイル交換してくれねぇ?」と知人に言われればそれならやるかとなってしまいそうな金額だ。
カスタム好きな人は自分でやったほうがいいかもね
自分でやる場合に必要な工具というのはトルクレンチ(ピンキリあるが5,000円くらい)くらいだが、普段自分でカスタムをしない人はこれだけのためにトルクレンチを購入するようなものだ。
その点で、普段からトルク管理が必要なカスタムをしている人は初期費用を抑えられる。
また、ニッチな車種でなければオイル交換動画とかで予習は可能なので、手間そのものを楽しめる人なら自分でやったほうがいいだろう。複数のバイクを持っていればコスパはもっと良くなる。
新車購入直後なら販売店に任せよう
新車で購入したバイクの場合は排気量に関わらず1,000km走ったら初期点検は必要だし、半年後、1年後点検でちょくちょく販売店に行く機会も多いだろう。そのタイミングでついでにオイル交換してもらえばいいだろうし、ちゃんとしたところならオイル交換のついでにブレーキパッドのすり減りをチェックしてくれたり、軽いチェーンの緩みをサービスで調整してくれたりもする。
定期的に整備士に見てもらう機会や関係性構築の観点でも、新車購入直後であればその価値は相対的に高く見積もれるだろう。